この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
その匂い買います
第1章 その匂い買います
 恵美は立ち上がり、スカートの中に両手を突っ込んで、ストッキングを下ろし始めた。  中塚は正座をして、その光景を凝視している。
 とてつもないくらい重たい空気が、2人のあいだをすり抜けていく。
 隣の部屋からはパソコンのキーボードをうつ音が、テンポよく聞こえてくる。それは精密機械のように正確なテンポだった。
 中塚のメガネ越しの瞳はギラついていた。
 それに気づいた恵美は、少し浮かない顔をしていた。
「よかったわ。ホテルに行かなくて…… 」
 恵美は思わず呟いた。
 恵美の細いカモシカのような生足が、中塚の目の前に現れた。
 中塚は恵美の生の足の裏を、舐めるように見ていた。そうそれは、獲物を狙うハイエナのように……。
 密室の中の2人は卑俗この上ない姿であった。
 中塚は恵美の両足首を掴んで、顔の高さまで持ち上げる。少し外反母趾気味だが、脱ぎたての足の裏からは、生温かい空気のようなものが、中塚の顔面を襲った。そして、ゆっくりと顔を近づけて行く。そして、中塚はついに巡り合った。
「これだ、この匂いだ! 」
 ついに巡り合った。中塚の思考回路をめちゃくちゃにする匂いに。
 中塚は瞳を瞑ると、顔面に柔らかく、生温かい感触が宿った。吸盤のようにこびり付く、恵美の足の裏は汗に濡れて湿っていた。
 中塚はしばし、それを愉しんだ。
 欲しいものはいつも、妄想の彼方にあった。
 だがしかし、中塚が追い求めていた匂いと快楽が、今ここにある。あきらめなければ、それに辿りつける。やっとたどり着けたことに対して、中塚は心の底から匂いを愉しんでいた。
 その獰猛な匂いは、三半規管を麻痺させ、身体全体に痺れが走り、脳細胞をロックオンするその匂いが中塚の欲望を包み込み、支配し、憧れをそそり、理性と欲望の狭間で、道徳と背徳が交差し始めていた。そして、快楽へと導き、やがて解放へと向かわせる。
 中塚はよだれを垂らし、白目をむいた。意識が朦朧としていた。
 中塚の異変に気付いた恵美は、
「ねぇ、どうしたの? 大丈夫」
 何度も肩をたたいて尋ねた。
 中塚の目白目をむいていた。金魚のように口を上下に動かすだけで、まったく声が出なかった。
 
/19ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ