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その匂い買います
第1章 その匂い買います
 翌日になった。土曜日の午後。中塚は休日を利用して、吉祥寺の街に足を運んでいた。中塚にとってこの街は、とても思い入れのある街でもあった。初めて女性とデートしたのもこの街。初めて喫茶店に足を運んだのもこの街。そして、初めて会社勤めをしたのも、この街だった。そんな街を探索する中塚の姿がある。
サンロードは人込みで溢れかえっていた。立錐の余地も無い程の込み具合である。ちいさなお子様連れの家族や、学生服を来た、男子学生、女子学生などの姿も、あちらこちらに見受けられる。この街は遊びやすいと評判の街で、そのせいか学生さんや若い人たちの姿が、あちらこちらに目立つ。井の頭公園もあり、公園周辺は大きな家が立ち並ぶ、意外と高級住宅地でもあったりする。
そんな落ち着いた街の喧噪に、派手だが煩くはない人々の群れ、おまけに家族で落ち着いて過ごせる、そんな住みやすい街である。
中塚は誰かと待ち合わせをしているようだった。馴染みのカフェで、一人、アメリカンコーヒーを飲んでいた。店内の一番奥の席に、中塚は腰を下していた。中塚の前に、長身の男が現れた。
「待たせたな。悪いな、遅れちまってよ」
「構わないよ。三崎はいつも、時間にルーズだから」
 三崎は対面に座った。三崎はアイスコーヒーを注文し、煙草に火を点けて、ひとつ蒸した。しばし、ふたりは無言でいた。なんだかふたりとも退屈そうな表情を浮かべていると、アイスコーヒーが運ばれてきた。男同士ではたまに見受けられる光景である。なぜなら、男性同士だと、女性同士のように、あまり話しをしないからだ。
 中塚と三崎は旧知の間柄、お互いに気心が知れている、ゆえに無言でいてもなんら支障はなかった。
 隣の席に座っている二十代くらいの2人組の女性が、何やらマシンガンのように、おしゃべりをしていた。
 黒髪のロングヘア―の女性が、髪をかき上げながら、対面に座っている女性に話しかけている。
「先週、SNSサイトで、男の人と会ってさ」
「そうなの」
「そうよ」
「目的は? 」
 対面に座っている、ショートヘアの小柄な女性が、目を見開いて相槌をうった。さらにロングヘア―の女性は続けた。
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