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その匂い買います
第1章 その匂い買います
「その人が、貴方の匂いを買いますって、メールを返信して来たのよ。最初は、戸惑いがあったけど、いくらで買ってくれるのか、興味があったから、その人に、いくらで買ってくれるのですか? と、返信を入れたのね、そうしたら、匂いがすれば、諭吉さんと一葉君一枚ずつって言うの」
「本当に? 」
「本当よ。それで、蒸れた臭い足の匂いを嗅いで、涙を流していてね…… 素足で匂いを嗅ぎたいっていうから、ストッキングを脱いで嗅がせてあげたら、凄く喜んでいたわ。臭い、臭いって言って」
 敬子は嘲笑気味に笑っていた。まるで、その匂いを嗅ぐ男の事を、バカにしているかのような言動であった。
 三崎は、ふと、中塚の方を意味ありげに見つめた。中塚は、素知らぬ顔で、アメリカンコーヒーを飲んでいる。
 三崎のその瞳は、明らかに疑いの眼差しであった。友である中塚を疑うのは心無いが、だが、人は見かけによらない。それに、三崎は中塚の性癖の事など、何も知らないのだから尚更でもある。
 中塚は三崎の視線に気づいたのか、
「何だ、三崎? 」 
「いや、何でもない」
 中塚は、なんとなく自分が疑われている事を察知した。まさか、よりによって、このような場所で、こんな話が隣の席から飛び交うとは、想像もしていなかったからである。
 店内は満席で、空席待ちのお客さんが、レジの横にある長椅子に四・五人で腰をかけている。自動扉の外にも、何人か空席待ちの人達がつめかけ、店員のウエイトレスが対応にあたっている。
 いつも、この店は満席で殷賑さに沸いている。中塚は、お気に入りのカフェが三軒ほどあり、その一軒がこのカフェであった。そして、中塚は殷賑さに沸く、この店をとても愛していた。多くの人々に愛されるというのは、素晴らしきことだからである。
 五階建てのビルの地下に位置する、老舗のカフェ。決して立地条件はよくはないが、それでも人々が押し寄せる。そんな、多くの人々に愛されているカフェである。
 敬子が、トイレから帰って来ると、真美は先ほどの話しの続きを、敬子に尋ねていた。
「その人、何歳くらいの人なの? 」
「四十代って言っていたわよ」
「もしかして、その人って、匂いフェチとかじゃないの? 今、流行りの」
「たぶん、そうだと思う」
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