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第1章 妊活一回目

次にマユさんと会ったのは、人工授精の結果を確認する為に彼女が来院した時でした。
結局、その時の人工受精は失敗しました。
マユさんが浮かない顔をしていたので、元気付ける積もりで、

「人工授精は人工的に受精の手助けをするだけですからね。気長に続けて行きましょう」

と言うと、彼女は重たげな視線を私に向け、「はい」とだけ言った後、目を伏せました。
その拍子に彼女の長い睫毛が目の下に影を作り、それが妙に艶めかしく、私は思わず目を逸らしました。