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第21章 滅

『お前に…
なんも見返りなんて無いねんで？』

そう言うと彼女は

『あたしは
ＡＶ落ちまでしたホス狂やで？』

え…そうなん？

『見る？あるでDVD』

『いや…いい。』

『あたしはね貢いだ相手があたしのお金で
着飾ったり他の女とデートしたり
生きていくのを見てるだけで満たされるの』

『…そんなんお前は…』

うまい言葉が見つからない。

『とことん狂った人間は
マトモになんてなれないよ』

彼女は微笑んだ。
何の曇りもない。無垢な笑顔。

『あたしが怖くなった…？』

『……』

『でもアツシは人が自分に
狂っていく事で満足していくでしょ？』

『アツシは何も心配いらないよ。
ただあたしに尽くされてればいい』