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Dangerous Man
第3章 傷
しかし未成年で、それも中学生の俺に
彫ってくれるような
間抜けなスタジオはない。
『キョウくんに
いいとこないか聞いてみる』
そう言って彼女を納得させた。
その晩キョウくんの部屋に行き
事のあらましを説明する。
『そんなん自分で彫ったらええやん』
え?
『怖いやん。痛そうやし』
そう言うとキョウくんは
指輪を外し見せてくれた。
左の薬指には少し歪な指輪のような刺青
『これ自分で入れたで?年少リング』
そう言った彼はゴソゴソと押し入れを探る。
出てきたのは墨汁と縫い針
『これで入れるん…?』
『そやで。男なんやからビビるなや』
そうやって笑う彼は悪魔に見えた。