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Dangerous Man
第1章 音
『な?今の俺らみたいやん?
このバンド最高やねん!
出身も隣の市なんやで!
親近感湧かへん!?』
興奮するユタカに冷たい目線を送った。
『なぁ行こや!俺奢るから!』
奢ってもらう
ただそれだけでも
たいした金を持っている訳ではない俺は
ユタカの提案に乗った。
ー 週末 ー
小さなライブハウスの前へ行くと
人でごった返していた。
カウンターに目を移すと
おかえりなさい!と書いてある弾幕
その下にはバンド名がデカデカと書いてある
歴史上の
聖女をもじったその名前
俺はこの瞬間まで誰のライブを見に来たか
忘れていた。
ユタカに借りたCDを何度も聞き返し
曲も覚えたはずなのに…。