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Dangerous Man
第1章 音
『はよ!行くで!』
そう言って俺を促すユタカは
既に興奮している。
俺は中に入るとまた驚いた。
派手な女。いかつい男。
目を引くのは目立つ奴らだったけど
残りの半数は見た目は普通の
普段ロックなんて聞かなそうな人達
『このバンド色んなジャンルの
曲作るから色んな人を惹き付けるねん!』
『ふぅん?』
俺は興味なさげに返事をしたけど
ワクワクしていた。
こんなにも色んな人を魅了する彼ら…。
興奮の色が満ちていくこの空間
逸る気持ちを抑えて彼らを待つ。
暗転する照明。
グッと息を呑み。静まり返る。
強烈な身体の芯にまで響く轟音をたてて
ステージにスポットライトが照らされる。