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もっと夢を見ていたい
第11章 21 ( 2
ベッドに戻るとまた足枷を嵌められた。
抵抗すればいいのに
出来ない…
逃げたらきっと…
この人は…
私は…?
そんな事を思ってしまって
出来なかった。
だって、私が何もしなければ
彼はいつも通り、優しい。
彼を悲しませたくない…。
これがきっと私のシアワセ
タオル1枚、身体に纏った状態で
付けられた足枷を撫でる。
都合のいい夢を見る思考に
自分でも呆れる。
彼は戻ってくると
『今日はカレーやで』
笑って私に差し出した。
受け取ると彼は隣に座る。
『今日は俺も一緒に食べよ思って
もう一個買うてきた』
屈託のないその笑顔に絆される。
逃げられないんじゃない…
逃げないだけなんだ…。