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もっと夢を見ていたい
第13章 22
『…遊園地の地区。』
『…ん。』
それだけ言うと彼は車を出した。
後ろからワンボックスカーが着いてくる。
久しぶりの我が家に入ると
少し…ホコリ臭い。
荷物をダンボールに詰めた。
要らない物は若い子達が
持って帰ると言うのであげた。
それでもワンボックスカーで充分だった。
『これで最後か?』
彼はそう言ってCD達が入った
ダンボールを持ち上げる。
『…うん。ありがとう』
空っぽになった部屋…。
私の帰る場所は無くなった。
帰りに銀行に寄って
通帳に書き込みをする。
家賃1ヶ月分しか残っていなかった。
不動産に行き解約の手続きをする。
ちょうど更新の年だった。