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もっと夢を見ていたい
第15章 22(3
手を繋ぎ飲み屋街を歩く。
フードを目深に被って俯く私の目には
吸い殻や枯葉。
噛んだ後のガムしか映らない。
時々路肩に留まる車を避け
突進してくる人の群れを
彼にくっつく事で避けていく。
『こっち入るで』
そう言ってビルに入っていく。
来たことのない店。
カウンター席に並んで座る。
彼が私の分も頼んで
ゆっくりと飲み始める。
話題は…過去の事だった。
『結はさ忘れられない恋愛とかある?』
『…?ないよ?忘れた。』
『ホンマに?』
『…うん?なんで?』
『過去の相手とお揃いの物とか
影響された物とかない?』
何が言いたいんだ…?
『ないと思う…
忘れたからわかんないけど…』