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もっと夢を見ていたい
第3章 16 ( 2
お揃い…。
いくつになってもその言葉には
ときめいてしまう。
当時だって例外じゃない。
ホテルを出てサトシの家に行った。
サトシの母に挨拶をして部屋に行くと
縫い針と墨汁がそのまま置いてあった。
『私、手首がいい。』
『痛いで?』
『でも時計してれば、隠せる』
『俺との愛を隠したいんか』
笑いながら言う彼。
『ちゃうよ!まだ学校行ってるもん』
『せやな。女子高生やもんな』
『サトシが言うとなんかヤラシイ』
そんな事を言いながら
サトシに腕時計を取った手首を見せた。
『入れて?愛の証。』
『ん。』
彼は微笑むと
躊躇すること無く私に針を突き刺した。