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もっと夢を見ていたい
第3章 16 ( 2
『ん"ぎゃっ!』
苦痛で涙目になる。
『お前…変な声だすなや。』
『痛いねんもん』
『我慢せぇ。
力入れたら余計痛いで?』
話しながらもどんどん針を突き刺す。
傍らでは私が好きなバンドの甘い歌声。
なんだか腹が立ってくる。
素人の癖に細かく綺麗に入れる。
彼は器用なのだ。
痛みになれ痺れが出てくる。
『何か手がビリビリする。』
『後ちょっとやから待て』
痺れは待ってはくれない。
『…休憩するか?』
そう言って掴んでいた手を離す。
まだまだ小さい。
周りを縁取るようにハートを
大きくしていった彼は完璧主義なのか
兎に角綺麗にしっかり墨を入れていった。