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ハプニングは突然に【完】
第4章 イケメン高校生
ちょうど帰る頃だったらしく、歩いている生徒に笑顔を見せながら


「バスケ部の名原 拓海ってまだ校内にいるかな?従兄弟なんだけど、彼に会いたくてね。」
と、聞いて回っていると



カッコいいお兄さんが、名原を探している。


と、途端に話が校内に広まったらしく(後から名原に聞いた。)



名原は、それから10分ほどたってから新堂のまえに現れた。



仔犬のようなベビーフェイス。


俺というより、母さん似の弟たちに似ている。


「俺、親戚の集まりであなたに会ったことなんてないですけど。」


と、可愛い顔をしているのに仏頂面でこちらをみる名原。



「母は最近になってやっと、実家と和解したらしくてね。君にあったことがなかったんだ。でも、父親に確認してもらえたら、すぐにわかるよ。こんな形で、会いたくはなかったけどね。」
と、笑顔で表情を崩さずに言う。



疑っているのか、その場でスマホから父親に電話をかけ始める。


「仕事中にごめん、父さんの姉の子供っていう人が俺のとこに来てて…あぁ。え?朝にその人から連絡きたの?あ、そう。わかった。急に連絡してごめん。切るね。」


「…貴方、父にも直接連絡をいれてたんですね。会いに行くと。」


「不審者と間違えられると、僕が困るからね。」


「フッ、狡猾な人間なのかなって思いました。」


「褒め言葉として受けとるよ。」



大人の余裕を見せなきゃダメだ。本当は、ぶん殴ってやりたいけど。

「場所を変えようか、ここは目立つから。」


見回すと、物珍しそうな目で沢山のギャラリーがいて学校の先生まで現れそうな雰囲気だったので、近くの公園に移動した。



自然公園ということもあり、夕方は人がまばらだ。



歩いている間、お互い無言だった。


付いてしばらくしてから、名原の方から話し始める。



「…俺、彼女にはきちんと謝罪しますけど、貴方にはしませんよ。見てましたから。」


「お前と同じことしたってことかな?」


「そうです。他の人は気付いていないようでしたけど。」






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