この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
悦楽にて成仏して頂きます
第13章  陰陽師


 メモを受け取った響揮に着いて行くと、琴音を遠ざけ、またキッチンのシンクで燃やしている。最初の時はどうしてそこまで、という気持ちが大きくて気付かなかったが、響揮は小声で経を唱えていた。
「あいつの持ち物を置いとくと、部屋の気が悪くなる」
 響揮はリビングへ向かう。
 私は追いかけ、「霊の持ち物だから?」と小声で訊いた。
「ああ」
 響揮はすぐにリビングで、結界を張り直している。
 琥珀も落ち着いたのか、ソファーに座って毛づくろいの真っ最中。
「念の為にな。また、部屋に来い」
 琴音の視線があるからと、2人でまた響輝の部屋へ行く。
「注入の儀について、桜火は知ってたの。水の能力の事も……」
「急がねえと、いけねえな……」
 響揮は、これから私の儀式に行くと言い出した。
 本当は、ゆっくり琴音の朝食を食べたい。でも、そんな場合ではないだろう。響揮と桜火の為、私は戦う決心をした。それならば、早く儀式を重ねなければ。
 荷物をリュックに詰めると、当然のように琥珀が入り込む。
「はいはい。私は、琥珀の運搬係ね」
 行きは響揮が裳の入った箱を持ってくれた。それでも、琥珀入りのリュックは重い。
 また同じ儀式を済ませた帰り際、祈祷を続けるという響揮を覗き込んだ。
「ねぇ。私担当の、溜ってる霊はいないの?」
「いるっちゃ、いるけど……」
「すぐに送って。今日、成仏させるから」
 響揮が、驚いた表情を見せる。
「お前、昨日もヤったろ?」
「昼間は除霊で、夜は儀式をする。毎日」
「お前がいいなら、構わねえけど……」
 確かに疲れてはいた。でも、成仏出来ないままの霊を、そのままにして置きたくはなかった。
「家事は、全部琴音ちゃんに任せるけど……」
「ああ。いいんじゃねえか。好きそうだし」
「うん。じゃあ、よろしくね。頑張って」
 祈祷を続ける響揮に労いの言葉をかけてから、琥珀入りのリュックと裳の箱を持って社を出る。
 マンションに戻ってから、シャワーを浴びてバスタオルを巻く。その上にバスローブを着た。
 琥珀は、部屋の隅で待機中。琴音には悪いが、少し時間のかかる買い物を頼んだ。
 これで準備完了。
 琴音を玄関で見送ってから、私はバスローブを脱いだ。


/139ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ