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悦楽にて成仏して頂きます
第13章 陰陽師
今回はどんな霊だろう。大人しく成仏するといいが、最近は暴走する霊が多い。
玄関を開けて、霊を招き入れる。
オーラは見えない。それだけでも、少し安心した。
響揮は、私が霊とセックスをどう思っているのだろう。他に方法が無いと言っていたから、ただのシゴトだと考えているのだろうか。
それでも、セックスをしているのは事実。いい助手を見つけたと、喜んでいるだけなのだろう。
彼には琴音がいるから、私を女と見ていないかもしれない。
響揮について、そんな風に考えたのは初めて。それを頭の隅に追いやり、霊を誘った。
「私は楓。服を脱いで、来て……」
「あの……。俺……」
白装束を脱ぐ仕草からして、童貞のようだ。見かけは、二十代後半。
「大丈夫だから。ねっ……」
「はい……」
この霊も、響揮が言っていた天界に送ってあげたい。
座っていたベッドに来た彼に、キスをする。
唇をしゃぶるようにしていると、彼が軽く口を開く。その隙間から舌を挿れた。
「ふんっ……。んんっ……」
戸惑いながらの彼も、舌を絡め始める。
暫くそうした後、私から離れた。
「しよう?」
「は、はい……」
彼はもう勃起していたから、壁に寄り掛かって座ってもらう。
脚の間に入り、性器を咥えた。
「うっ……」
気持悦さに驚いた彼が、声を漏らす。
舌を性器に当てたまま、頭を上下させた。それだけで彼は全身を震わせている。
「いつ出しても、いいよ……」
それだけ言い、また性器をしゃぶった。
「楓、さんっ、もう、くぅっ。はあっ……」
口内に、精液が迸る。それだけは感じた。でもすぐに消え、口の中には何も残らない。
儚さは、以前から知っている。それでも響揮の話を聞いた後だと、余計に可哀そうだと思ってしまう。
彼が何故亡くなったのかは、全く解らない。私に関連はないだろう。でも少し前まで、彼は人間として普通に生活していた。
人間は、いつ死ぬか解らない。
病気じゃなくても、突然の事故に遭ったりする。私だって、そうかもしれない。だからこそ私に出来る方法で、出来るだけ多くの、可哀そうな霊を救ってあげたいと思ってしまう。
「来て……」
枕に頭を載せて誘うと、彼はゆっくりと跨ってくる。