この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
悦楽にて成仏して頂きます
第14章  修行


 社へ着くと、すぐ裳に着替えた。響揮も、いつもの正装をしている。
 まずは響揮が焚火の前に座り、普段と同じように火を炎にしていく。
 それから私は、響揮の座っていた場所へ移った。
「オレはここで、木をくべる」
 響揮は少し離れた場所に座る。
 くべる木は、いつもより凄く多い。丸1日、炎を絶やさない為だろう。
「奥にも木を用意してある。オレが動いても、気にすんじゃねえぞ」
「うん……」
「もうすぐ日の出だ。始めろ」
 響揮に言われ、私は教本を開いた。
 片手で持てるような小さな本は、蛇腹型で20ページほど。最後まで唱えたら、また最初から繰り返すと響揮に聞いていた。
 私は、黙々と経を唱える。
 その横では、時々響揮が木をくべていた。
 とにかく集中しなければ。それだけを考え、経を唱え続ける。
 今私が出来るのは、日の出まで集中して経を読む。それだけだ。


 何時間経ったかなど、そのうち気にならなくなっていた。
 何十回も読んでいると、経が段々と頭に入ってくる。私自身も、不思議な世界に入ってしまったよう。
 途中までは苦しかったが、それを通り越すと感覚が麻痺していく。声は枯れていたが、それさえも気にならなくなった。
「日の出だ。もういいぞ!」
 響揮の声は聞こえていたが、最後まで経を読んでから本を閉じた。
「お、し、まい……?」
「そうだ。ホラ」
 響揮がペットボトルの水をくれる。それを飲み干してから立ち上がろうとすると、足がもつれて響揮に抱き留められた。
 違う世界から、戻って来たような感覚。
「よくやった。完全に開花した」
 響揮に抱きしめられ、全身の力が抜けていく。
 自分が、青いオーラに包まれているのが解る。
 私は霊になってしまい、オーラを放っているのだろうか。何の為にやっていたのか、何をしていたのかさえ忘れてしまった。
 スっと、体が楽になったように感じ。
 私は、自然と目を閉じていた……。


/139ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ