この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
悦楽にて成仏して頂きます
第16章  それぞれの思い


「響揮さんは、もう召し上がっていますよ」
「え? すぐ行く」
 部屋着に着替えて顔を洗ってからキッチンへ行こうとすると、途中のリビングでは琥珀が朝食を終えたところ。
「琥珀。昨日はありがとう」
「ニャー」
 まるで「オレの能力を見たか」、とでも言っているよう。そのままソファーへ行き、前足を舐めている。
 キッチンへ行くと、響揮が朝食の真っ最中。
 まるで昨夜も、昨日の事もなかったようでホッとした。
「今朝は、洋食にしてみました。本で勉強したばかりですが……」
「美味しそう。いただきます」
 テーブルには、フレンチトーストとオムレツのベーコン添え。それに小振りの野菜のココット。色目の綺麗なサラダもある。
 どれも美味しくて、素直に感動してしまった。
「いかがですか? 初めての洋食なので……」
「全部美味しい。琴音ちゃん、凄く料理上手いよね。ねっ、響揮っ」
 美味しいのは本当だが、話しかける口実に使わせてもらう。
「ああ。ごちそうさま……」
 全てをたいらげた響揮が、椅子から立ちあがる。
「琴音。後で、部屋に行くから」
「はい」
 琴音の返事を聞くと、響揮は廊下の方へ行ってしまった。
 何の用があるのだろう。だが、2人は婚約者。私には関係ない。


 シャワーを浴びて部屋へ戻ろうとすると、響揮が琴音の部屋へ向かっていた。
「お前は来るなよ」
「うん……」
 2人の邪魔をするほど、ヤボじゃない。
 今まで桜火の件で忙しかったから、琴音の部屋に行く時間が無かっただけ。婚約中の2人なら、部屋で会っても構わない。
 セックスをしても……。
 一々ホテルに行くのは、面倒だろう。
 いくら想っても、絶対に叶わない恋。全てが落ち着いた今は、響揮への感情が強くなっている。
 髪を乾かし、溜息とともにベッドに転がった。


 1時間が経ち、自然と耳をそばだてている自分に気付く。
 間にはウォークインクロゼットがあり、隣の部屋の声は聞こえないのに。
 そう考えて、溜息をついた。
 響揮が琴音の部屋で何をしていても、私には関係ないと解っている。
 琴音はどんな体をしていて、どんな声を出すのだろう。スタイルは私と殆ど変わらないが、胸は私の方が大きい。
 自然と、自分の胸を触る。そのうち、軽く揉んでいるのに気付いた。


/139ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ