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悦楽にて成仏して頂きます
第3章 霊の望み
「俺、上手くないと、思うけど……」
「あぁんっ」
いきなり奥深くまで挿入して来た。彼も、溜息をついている。
「つらく、ない?」
「大丈、夫っ……」
確かめると、グラインドが始まった。深くまで、メチャクチャにされそうなくらい。
「あっ、あんっ」
荒い息をつきながら、彼はグラインドを続ける。
乳首やクリトリスを弄られた時はテクニシャンだと思ったが、バックは私の腰を押さえてただグランドするだけ。
「はぅっ、あんっ」
「うっ、はあっ……」
挿入してから、ほんの数分で果てたらしい。
彼は性器を抜くと、ベッドへ転がった。
「これが……。バック……」
小さな独り言を言い、横になった私を抱きしめてくる。
心地いいはずの体温が、霊には無い。冷たくもなく、ただ抱きしめられている感覚。それだけは、いつも何となく切なく感じる。
テクニシャンだったり、すぐにイってしまったり。彼が全く解らない。でも詳しく訊いたりすれば、また暴走を始める可能性もある。
除霊の時は、私はただの人形。
相手のしたいようにセックスをさせて、気持ち悦ければ素直に喘げばいい。このセックスに、愛情は存在しないから。2、3人を除霊した時から、そう思い始めた。
これは除霊。彷徨っている可哀そうな霊を、助ける為のセックス。
でも2度もイったのに、成仏しないのは気になっていた。
「楓……。擦ってくれる?」
「うん」
私は、萎えてしまった性器を手で擦った。少しずつ、大きく太くなってくる。
「はあっ……」
彼は、こんな刺激だけでも悦がっているようだ。益々、彼が解らなくなる。霊になって彷徨うほど、彼のしたいセックスが解らない。
「楓……。まだ、いいかな……」
「うん。私は、平気」
まだ成仏しないという事は、彼には何か目的があるのだろう。
「これが、最後だから……。載って、欲しいんだ……。騎乗位……」
「うん」
そうは答えたが、まだ理由は解らない。それに、騎乗位は私も経験が少なかった。どんな風に動けば相手が気持ち悦いのか、まだ知らない。
霊は童貞が多くて正常位を好むし、元彼に言われて1度しただけ。
でも私が戸惑っていたら、彼は成仏出来ない。