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悦楽にて成仏して頂きます
第3章 霊の望み
私の腰を押さえていた手に力が入いり、下から突き上げてくる。
「あぁっ、あぁんっ」
凄い。殆ど初めてに近い体位で、こんなに快感を得られるなんて。
「はぁっ、イイっ、あんっ」
グチュグチュという音は聞こえるが、何をしているのか解らなくなりそうだった。
私はただ体を上下させ、下からの突き上げも受け止める。
「ヤぁっ、あぁっ、ダ、メぇ、んんっ」
気持ち悦すぎて、除霊の事などもう頭に無かった。
イきそうでも、イきたくない。それは彼を思ってではなく、この快感がもっと続いて欲しいから。
このセックスに愛情が存在しないのは、充分解っている。そんな事さえ、忘れそうになっていた。
次の瞬間、頭に一瞬強い痛みが走る。そのせいで、少しだけ我に返った。
これはきっと、響揮の仕業。
見えないと言っていたが、多分社にいて私の状況を全て把握しているのだろう。昨夜、霊が来ていたのも知っている。
セックスで我を忘れている事まで解るなんて、一体どこまで知られているのだろう。
でもそのお蔭で、私は自分の目的を思い出した。
彼にはバレないように、気持ち悦さを装って頭を振る。
響揮も、溜っている祈祷依頼に没頭すればいいのに。除霊の為のセックスを邪魔するなんて、今度来たら文句を言ってやる。
「あっ、はぁっ」
それでも、気持ち悦さは変わらない。
彼の突き上げが激しくなると、またイきそうな感覚が戻ってくる。
「あっ、ヤぁっ、はぁっ、んんっ」
「楓っ、イっても、いいよっ」
そんな風に言われると、余計に体が熱くなってしまう。私はもう限界。また、除霊の事など忘れていく。
すると、また頭に強い痛み。
それでも、体は限界に達していた。
「ヤぁんっ、んんっ、ヤっ、あぁっ、イくぅっ! はぁっ……」
私は、彼の胸に倒れ込む。
彼が優しく、髪や背中を撫でてくれた。