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悦楽にて成仏して頂きます
第9章  琴音


「顔に、かけても、いいですか?」
「じゃあ、イきそうになったら、私の頭を持って?」
「は、い……」
 この段階で、彼は我慢しているよう。
 もう1度咥えると、ほどなくして頭が掴まれる。上げた顔に、彼は射精した。一瞬で消えてしまう、儚い放出。
「はあっ、はあっ……」
 これで、彼の望みを2つ叶えた。
「私も、気持ち悦くして?」
 ベッドに寝て、彼を誘う。
「えっと……」
「跨っていいから。バスタオル、外して?」
「はい……」
 彼がすぐに、腰の辺りに跨ってくる。
 何も知らないのだろうか。この歳になれば、セックスに興味があって当然。やり方くらい知っているのが普通だ。
 彼が、ゆっくりとバスタオルを外す。私も手伝って、バスタオルをベッドの隅へ置いた。
 彼は黙ったまま、乳房を見つめている。
「触って。好きなように」
「は、はい……」
 そう言うと、彼は乳房を揉み始めた。
「んんっ……。はぁっ……」
 丁度いい刺激に、私も溜息が漏れる。
「乳首も、弄って……」
 彼は慎重に乳首を摘まんで来た。
「あっ、あぁっ」
 軽く指を動かされて出した声に、彼は驚いたように手を離す。
「続けて。気持ち悦いの……」
 すぐに両方の乳首を摘ままれ、グリグリと指が動く。
「はぁっ、んんっ」
 指使いが上手い。まるで経験者のよう。
「ねぇ、乳首、しゃぶって……」
 彼の顔が近付き、乳首が口内に含まれる。舌を使われ、ビクンと体が跳ねた。
「あんっ、あぁっ」
 私の上で、勃起しているのが解る。
「うぅっ……。はあっ……」
 彼はまたイってしまった。何度もイって、挿入は大丈夫だろうかと心配になる。
「ねぇ、ここ見て? 気持ち悦くて、濡れてるから……」
 私から降りると、彼は広げた私の脚の間に座った。
「ね。もうあなたのモノ、挿いるよ?」
 挿入を促したつもりだったのに、彼は秘蕾を弄り出す。
「あっ、はぁんっ」
 ヒダを広げられ、クリトリスをしゃぶり出した。
「あぁっ、んんっ」
 チュパと音がするほど強く吸い、口内で舌を使われる。
 その行為に、私は注入の儀を思い出してしまった。
 響揮は今頃、琴音と何をしているのだろう。私は呑みに行く以外、一緒に街へ出た事は無い。


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