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悦楽にて成仏して頂きます
第10章 水の守護
「んんっ……」
柔らかな揉み方で掌が乳首にあたり、溜息が漏れた。
彼はまだ、恐々という感じ。
「乳首も、触って……」
「はい……」
「あっ、はんっ」
指先で両方の乳首を摘ままれて、声が出てしまう。彼も興奮してきたよう。勃起した性器が、私に当たっている。
「ねぇっ、壁に、寄り掛かって、座って?」
「え? はい……」
彼が座ると、脚の間に座っていつものフェラ。
早く挿入させて、イってもらった方が楽だろう。でも、一通りの手順を済ませなければ。
「触ってて……」
私は、彼の両手を乳房に導いた。乳首を弄られるのを感じてから、彼の性器を持つ。
最初は、横の部分を根元から舌で辿った。それだけで、彼は体を震わせる。
カリの部分を軽く吸ってから、口内に挿れていく。彼はビクンとしたが、まだイくわけではなさそう。そのまま全体を口に含み、舌を使う。
途中で彼の手が落ち、私からまた乳房へ導いた。
元々、セックスは娯楽の1つ。
子作りが目的じゃないセックスの方が、はるかに多いだろう。でもそれだって、愛情を確かめ合う為。私と彼の間に愛情は存在しないが、成仏させてあげたいという慈愛(じあい)の思いがある。
そうでなければ、見ず知らずの霊とセックスなどしない。
「楓っ、さんっ……」
彼は乳房を強く握った。
「出して、いいよ……」
それだけ言って、私はフェラを続ける。
「くぅ……。はあっ……」
口内に精液が飛び散って、消えていった。
それさえも、儚く感じる。
彼がこんなに若くして命を落とさなければ、いずれセックスや結婚も出来ただろう。
「気持ち悦かった?」
「はい……」
「私も、気持ち悦くして欲しいな……」
息を乱しながらの彼が、恥ずかしそうに目を伏せる。
「俺、子供の頃から、ずっと病気で……。だから、経験が、無くて……」
だから、病院のイメージが浮かんだのかもしれない。
「大丈夫。教えてあげるから」
彼の話を遮る為にも言った。
これ以上、亡くなる前の出来事を思い出されたくない。悔しさを思い出せば、また暴走する可能性もある。
私は彼から離れ、ベッドに横になった。