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エメラルドの鎮魂歌
第5章 青い鳥の唄
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「…あんたも暇なんだな。そんなに俺に会いに来てさ。
何か面白いことでもあるのか?…それに…。
こんなに贈り物されても困るんだけど…」
藍は呆れたように首を振った。
藍の机の上には、青山が持参したプレゼントが所狭しと並べられていた。
…画材の絵筆、絵の具、新品のキャンバス、洒落た文房具、そして舶来のお菓子…。
頗る高価なものではないが、それなりに値段の張るものばかりだ。
巷の物資が貧しくなりつつある今、庶民が簡単に買えるものではない。
この学院では必要な学用品や衣類は支給されるし、食事もきちんと豊かなものを与えられている。
藍のように絵画を得意とするものには、郁未は気を配り必要な画材用具も揃えてくれる。
だから、施しを与えられるのは甚だ不本意であった。
「俺は孤児だけど、憐れまれるのはごめんだ。
俺は同情されるのが何より嫌いなんだ」
睨みつけるように言うと、青山は穏やかな微笑みを湛えながら答えた。
「憐れみでも同情でもないよ。
…なぜなら、君はもう一人の私の姿だったのかもしれないからね」
青山の謎の言葉に、藍は訝しげに眉を寄せた。
「…何言ってんだ?」
ゆっくりと窓辺に近づき、遠くの景色を眺め青山はのんびりと世間話するように口を開いた。
「私も君と似たような境遇だったのだよ。
…母親は愛人で、私が赤ん坊の頃に亡くなっていてね。
私は貌も覚えていないのだよ」
何か面白いことでもあるのか?…それに…。
こんなに贈り物されても困るんだけど…」
藍は呆れたように首を振った。
藍の机の上には、青山が持参したプレゼントが所狭しと並べられていた。
…画材の絵筆、絵の具、新品のキャンバス、洒落た文房具、そして舶来のお菓子…。
頗る高価なものではないが、それなりに値段の張るものばかりだ。
巷の物資が貧しくなりつつある今、庶民が簡単に買えるものではない。
この学院では必要な学用品や衣類は支給されるし、食事もきちんと豊かなものを与えられている。
藍のように絵画を得意とするものには、郁未は気を配り必要な画材用具も揃えてくれる。
だから、施しを与えられるのは甚だ不本意であった。
「俺は孤児だけど、憐れまれるのはごめんだ。
俺は同情されるのが何より嫌いなんだ」
睨みつけるように言うと、青山は穏やかな微笑みを湛えながら答えた。
「憐れみでも同情でもないよ。
…なぜなら、君はもう一人の私の姿だったのかもしれないからね」
青山の謎の言葉に、藍は訝しげに眉を寄せた。
「…何言ってんだ?」
ゆっくりと窓辺に近づき、遠くの景色を眺め青山はのんびりと世間話するように口を開いた。
「私も君と似たような境遇だったのだよ。
…母親は愛人で、私が赤ん坊の頃に亡くなっていてね。
私は貌も覚えていないのだよ」
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