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エメラルドの鎮魂歌
第8章 エメラルドの鎮魂歌 〜終わりの序曲〜
和葉は、兄の身体の天使の羽のような軽さと儚さに驚いた。
…元々、か細い少女のような体型だったけれど、更に痩せ細ってきたような…。

自分が幼年士官学校に入学してからというもの、年に数えるほどしか会いには行けなかった。
会うたびに瑞葉の美貌は透明度を増し、その反面、婀娜めいた妖艶な雰囲気を醸し出しているのが顕著であった。
…もちろん、執事の八雲と兄が肉体関係を結んでいるであろうことは、薄々気づいていた。
昔から、二人の結びつきは濃密で誰もその世界に立ち入れないほどに特異であったからだ。

…それがかつては羨ましく妬ましく、八雲に八つ当たりしたこともあったっけ…。
過ぎ去りし日々を、懐かしく思い出す。

瑞葉の透き通るように白く、片手で握り潰せそうな首すじに浮かぶ紅い愛咬の跡…。
どきりとしながら、そっと手を伸ばす。
迷いながら口を開く。
「…兄様、八雲は兄様に…」
…反応の無さに訝しげに貌を覗き込む。
瑞葉は長い睫毛を伏せ、和葉の胸で静かに眠っていた。
…まるで天使のように清らかな寝顔を思わず見惚れる。

「…寝ちゃったのか…」
ふっと笑いを漏らす。

…音もなく扉が開き、この館の美しき執事が現れる。
「…ご安心されたのでしょう。
昨夜から和葉様がお見えになるのを、それはお楽しみにされておられましたから…」
…この上なく優しい微笑みを浮かべながら、八雲が歩み寄る。






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