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エメラルドの鎮魂歌
第8章 エメラルドの鎮魂歌 〜終わりの序曲〜
「…ああ…い…いいっ…きもち…い…んんっ…!」
瑞葉は男の身体の上で、その透き通るように白くか細い腰を揺らめかせた。
「…おなかのなか…お前の…が…かたくて…あつ…い」
瑞葉の淫肉が、八雲の牡を無意識に締め付ける。
八雲は眉を寄せ、弾けそうになる快楽を遣り過す。

……瑞葉の身体はこの数年で驚くほど、淫らに艶めかしく開花した。
それは、八雲ですら予想外なほどであった。

元々、大人しく慎み深く羞恥心が強い瑞葉は性交に対して、臆病で消極的であった。
八雲と体を重ねた当初は、ひたすら目を閉じ八雲に身を任せ、緊張に身体を硬くするばかりだった。

…しかし、今は…。

その少女のように儚げな全身で悦楽を享受し、素直に快感を口にする淫らだが無垢な姿を露わにしていた。
「…あ…ああ…も…う…いき…そ…う…」
達しそうになると、身悶えして八雲を見つめるのだ。

その美しい貌を引き寄せ、荒々しく唇を貪る。
息が止まるほどの口づけを与え、寝台にその身体を深く埋める。
折れそうに華奢な腰を鷲掴みにし、激しい抽送を開始する。
「ああっ…!…そんな…つよ…い…んんっ…」
泣き叫ぶその桜色の耳朶を甘噛みする。
「まだですよ…まだ達ってはなりません…私をもっと愉しませてください…」
「…いや…っ…いかせて…は…ああ…んっ…」
焦れたように哮り狂った八雲の牡を締め付ける。
「まだです…私が達するまで達ってはなりません。
…貴方は娼婦のように淫乱だから直ぐに達っておしまいになる。
…いやらしい身体だ…」
薄く笑いながら、力強く腰を遣う。
「…あ…ああ…っ…や…あ…ふか…い…んんっ…」
激しい抽送に、八雲の先走りの牡液と瑞葉の体液が混じり合い、白く泡立ち…その紅く熟れた淫孔から溢れ出す。
淫らな水音が間断なく寝室に響き渡る。

八雲の逞しい腰遣いに、青白く薄い下腹部の上でまだ少年の像を留める薄紅色の花茎が切なげに揺れる。
「…いやあ…っ…も…う…いかせて…いかせて…おねが…い…」
無意識に己れ自身に手を伸ばそうとする瑞葉を、八雲は冷たく押し留める。
「弄ってはなりません。貴方は私に中を貫かれて達くのです。
…淫らな雌犬のように…何度も…」

その言葉を聞いた瑞葉の全身が、花を散らしたように朱に染まる。
「…ひど…い…ひどい男だ…お前は…」
エメラルドの瞳から宝石の如く煌めく涙が溢れ落ちた。



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