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エメラルドの鎮魂歌
第9章 エメラルドの鎮魂歌 〜秘密〜
「…そうか…それは残念だな…」
ふっとため息を吐いた青山の貌には、何かを悼むような優しさに満ちていた。
「…けれど、私たちはいつでも君たちの味方だ。
困ったことがあったら、直ぐに頼って欲しい。
私たちがフランスに渡っても、君たちの為にできることは何でもしよう。
…いいね、忘れないでくれ」
美しい潤んだエメラルドの瞳が嬉しそうに頷いた。
「ありがとうございます。…青山様と藍さんは、僕の心の拠り所でした…。
心から感謝しています」

…そうして、瑞葉は椅子から立ち上がる。
「八雲と母のところに行きます。
僕は篠宮の家には戻らないと、はっきり伝えてまいります。
…ここで…死ぬまで八雲と共に生きて行くと…」
瑞葉は吹っ切れたような輝かしい笑顔で、そう告げたのだ。

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