この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
スパイス
第16章 天然ひまわり
ーー
ー
「ねえ、歩。私が眠くならないように何か話してよ」
「あっ、ごめん」
ハンドルを握る和香奈に気を遣うの忘れていた。
「どんな話がいい?」
「歩パパと夏帆さんの面白エピソードはないの?」
「あ………ああ!!」
俺が笑い転げた話を和香奈にしてやる事にした。
「親父の奴な、夏帆さんと付き合う前に超厄介な女と付き合っていてさ」
「うんうん」
「まあ、親父も離婚して病んでいて、好意を持ってくれる女と付き合ったんだろうな。
その女は親父を好きだけど、俺の事はあんまり考えたくなかったみたいでさ……まあ親父と二人っきりを望んだんだよね」
「それ、酷くない?」
「確かに酷いし、そんな女は俺もごめんだけど、親父も最終的には俺を選んでくれて別れたわけよ」
「歩パパ偉いじゃん」
「偉いけどさ、その後、親父からプレゼントされた指輪がねじ曲がった状態で玄関先に置いてあったり、親父がその女の家に置いていた髭剃りや歯ブラシはコンビニの袋に入って車のミラーにぶら下がっていたりな」
「怖い〜」
「タチ悪いよな」
「歩パパの事好き過ぎて別れを認められなかった気持ちは分かるけど、怖いね」
リアルホラーだろ?