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第16章 天然ひまわり


「親父もさ、あの女に俺刺されちゃうかもって一時期怯えていたな」

「それだけ歩パパを好きで執念深かったの?」

「かもね。親父、その女が全く料理しない人でわざわざ包丁まで買って料理まで作ってやった事あるらしい」

「歩パパ優しいじゃん」

「夏帆さんの前でもその話をする無神経なとこあるけどな」

「ええ!!それ夏帆さんに話しちゃうの?」

「そそ。親父は悪気のないKY悪魔なんだよな」

「私だったらそんな話聞きたくないよ」

「俺が感心したのは夏帆さんなんだよね」

 その時を思い出して吹き出しそうになるが、一旦抑えた。

「夏帆さんどうしたの?」

「俺と親父は当時は実家に住んでいたわけよ。実家のすぐ裏に偶然苗字が同じで赤の他人の皆川さんが住んでいたんだよね。
で、でな、夏帆さんがさ……『聡君、ご近所の皆川さんに迷惑掛けなくて良かったね。コンビニの袋に入れた包丁なんてぶら下げられたら大変だよ!
そのまんま入れたら破けちゃうか?』なんて言うんだよ。
可笑しくて笑っちまった」

「夏帆さん、マジ凄い〜」

 和香奈も運転しながら肩を震わせ笑っている。
眠気ぶっ飛ぶだろう?夏帆さんはかなり最強キャラなんだ。


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