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永遠の愛を奪って
第10章 深まる愛と過去



見たくないけれど、“特別”という言葉に反応してすべてのボタンを留めた後に振り向いた。


土嶋さんはまた泣きそうな顔をしている。

でも私に向けている感情は悲しいというよりも怒りの方が充満しているようにも思えた。



「そうだよ。それは間違ってない」

「じゃあ――――」


「でも葉月の特別は、小春への特別とは違うから」


二人の喧嘩を見ていると怖くなるけれど、祐が私の味方でいてくれることが嬉しかった。


その特別の意味がたった一人の恋人であることだと証明しているように……。



「やっぱり白米さんとできてたんだ。付き合ってないって言ってたじゃん!」


「こうなるから葉月にはまだ言いたくなかったんだよ」


「嘘つき……!」


祐のことを突き飛ばし、泣きそうな声でそう言った土嶋さんはどこかへ走って行ってしまった。


何もしていないけど、なんだか悪い事をした気分だ。


唖然としていると祐が開けたままだった扉を閉めてから、はぁっ……と大きな溜息をつく。


「大丈夫……?」


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