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約束 ~禁断の恋人~
第8章  未来


 自然と涙が零れる。
 僕の海が戻って来た。
 海としての記憶を取り戻した。
「海は、脳死状態だったんだよ……」
 体を離した海に見つめられる。
「脳死……? じゃあ、何で。……移植、したのか……?」
 トップシークレットだが、海には“Z”について話してあった。
 本当は家族にも秘密だが、研究所に何日も詰める理由の嘘をつけなかったから。
「ごめん……。勝手に……」
 そんな簡単な言葉じゃ済まない。
 命や倫理に関わる問題。
 それに対して海がどう考えるのか不安だった。
「ありがとう」
 海が泣いている。
「トモに会う前なら、そのまま死んでも良かったかもしれない。でもオレは、トモと約束したから」
 約束……。
 僕は、そんなことを気にして移植手術をしたわけじゃない。
 動けないまま生きている海を、見ているのがつらくて。
 ただ、海に笑いかけて欲しくて。
「幸せにするって言ったのに、オレが助けてもらったんだな」
 首を振りながら、海を見つめた。
 海がいてくれればいい。
 一緒に生きていければいい。
 事故の前はそう思っていたが、動けなくなった海を見ているのがつらかった。
「今度こそ、絶対に幸せにする……」
 海の再度の約束を聞き、抱きしめ合う。
「トモ。欲しい……」
 彼の記憶の中では、何ヶ月もセックスをしていない。
 でも、僕も本当の“海”が欲しかった。



「んんっ、はぁっ……」
 シャワーを浴びた後、海の部屋でシーツに身を沈める。
 何度も深いキスを交わし合った。
 海の熱が嬉しい。
 初めて彼に抱かれた時を思い出す。
 知らないことへの恐怖より、愛情の方が強かった。
「ふぅっ……。んっ……」
 好きだから。
 本当に好きだから、お互いが欲しくなる。
 耳元から首筋。胸と海の唇が移っていく。
「はぁっ……」
 何度も胸に跡を残す。
 その度に、チクりとした軽い痛み。
 それを嬉しいと思った。



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