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約束 ~禁断の恋人~
第4章  現実


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 朝、体を揺すられる。
「Dr.トモ……」
 フィーアには、勝手に部屋に入らないように言ってあった。ドアをノックするか、内線電話を使うようにと。
 今まで一度も破ったことはなかったのに。
「朋也っ! どういうことなんだ? どうして、海くんが動いてるんだ!?」
 父親の声に、一瞬で目が覚めた。
「お父さん……。どうして、ここに……」
 その問いには答えず、父親は溜息をつく。
「移植、したんだな?」
 父親をリビングのソファーへ促してから、洗面所へ行った。
 もう完全に目は覚めていたが、冷たい水で顔を洗うと、頭の芯まですっきりする。それでも、顔は蒼褪めていた。
 父親は、緊急用にマンションの鍵となるコピーカードを持っている。部屋まで来られたのも不思議じゃない。
 普段は勝手に入って来るような人じゃないが、多分、インターフォンに出たフィーアの声に驚いたのだろう。
 当たり前だ。
 誤魔化すため、脳死状態の海に必要な薬品などを定期的に頼んでいた。それはいつも配達され、プライベートルームに溜まっている。
 少しずつ廃棄してはいるが、医療廃棄物が多いと怪しまれてしまう。
 父親には、研究者の顔をしていた方がいいだろう。
 人間らしくフィーアに接したいと言えば、容姿が海なだけに、余計な心配をされるかもしれない。
 僕は冷静なDr.の顔で、父親の待つリビングへ行った。
「何てことをしたんだ! チームのメンバーは、知ってるのか?」
 フィーアにコーヒーを二杯淹れるように言い、父親の向かいへ座る。
「後から、Dr.小早川にばれただけ。移植は、僕が勝手にしたから……」
 無言になったところへ、フィーアがコーヒーを運んで来た。
「君も座りなさい……」
 父親に言われ、フィーアは僕の顔を見てから隣へ座る。
「病院の医院長で、プロジェクトチームの総指揮を取ってる、Dr.桐島。僕の、父親だよ」
「初めまして。Dr.桐島」
 僕はDr.トモだから、同じ桐島でも構わない。



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