この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
約束 ~禁断の恋人~
第5章  変化


「ホリウチさんは、いらっしゃいますか? それか、サクラさんか、ミサキさんかケンさんは……」
 フィーアの口から出た名前。
 メモしておいた名前を見返しておいた。
「あっ、それなら四階です。どうぞ、こちらへ。汚い所ですが……」
 汚いは勿論謙遜だろう。調理部が本当に不潔だったら、放って置けない。
 綺麗に磨かれたシンクの前を通り、大きなエレベータへ案内された。
 院内へ運ぶための大型ワゴンが、三台は入りそうな広さ。
 中年男性が四階のボタンを押してくれて、ドアが閉まる時に頭を下げられる。
 彼らはDr.を“偉い人”だと思っているらしいが、それが正しいとは思わなかった。
 僕は調理に関して何の知識も持っていないし、レーザーメスとは違う包丁さえ扱えない。もしも清掃員のように掃除が得意なら、研究所はあんなに書類が山積みにならないだろう。
 どんな職業でも、その分野に長けている。それぞれの力を合わせ、病院は成り立つのだから。
 四階で降りると、銀色に光る棚の間で、丸椅子に座って雑談をしている。
「すみません。脳神経外科の桐島と申しますが……」
「Dr.!」
 若い女性が、驚いて立ち上がる。中年の男性と女性。青年も同じように立ち上がり、みんなでお辞儀をする。
 僕も丁寧に頭を下げた。
「桐島海のことで、お話しがあるんですが……」
「Dr.。海くんは、どうなんですか?」
 中年女性が言うと、みんな口々に海を心配する言葉。
 海はここでも、みんなに愛されていると感じた。
「あの……。ホリウチさんと、サクラさんと、ミサキさんと、ケンさんですか?」
「私が佐倉(さくら)です。こっちが、リーダーの堀内(ほりうち)です」
 中年の女性が、中年の男性を示す。
 自己紹介を受け、若い女性が美咲(みさき)、青年が賢(けん)だと分かった。
 話を聞くと、ここの全員が“自然食品管理者”の資格を持っているそうだ。



/103ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ