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約束 ~禁断の恋人~
第6章 異変
フィーアに異変が起こったと知られたら、Dr.小早川や父親が心配する。
父親は、彼を研究所に連れて行くかもしれない。
整形をし、研究材料として。
「フィーア。食べようか。片付けは、後でやるから」
「いただきます」
見ていると、フィーアの食欲は普通。
普通の人間なら、あれだけのことをした後に食欲は無いだろう。
そこが逆に怖かった。
突然、感情を剥きだしにするフィーア。それなのに、無表情で食事をしている。
やはり、メンテナンスが必要だろうか。
色々と考えて食欲はなかったが、僕も出来る限り食べた。
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
朝食後にフィーアを部屋に戻し、以前来てもらっていたハウスキーパーの会社に連絡をする。
午後一番で来てもらえ、数人でキッチンの片付けをしていった。
その間は、デリバリーの昼食。
夕食もデリバリーにすると、フィーアはまた「違う……」。
翌日も。その翌日も。
フィーアは「違う……」の繰り返し。
もう聞き飽きた。
精神的に滅入っていく。
フィーアが無理なら、僕が精神科にかかった方がいいと思うほど。
傍観者になり、レポートは適当に嘘を書いて送っていた。
「違う……」
フィーアが呟く度、僕は溜息。
何のどこが違うのか、全くわからない。
心では、耳を塞ぎながら生活していた。