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約束 ~禁断の恋人~
第6章 異変
苦しいほどに彼で満たされた僕の中から、熱が全身へと広がって行く。
「海、あっ、海っ」
自然と呼んでしまう、愛しい人の名前。
グラインドが激しくなり、彼の腰へ腕を回した。
「あんっ、はぁっ、んんっ」
潤滑剤のせいで、卑猥な音が聞こえてくる。それさえも、僕を煽っていく。
何も変わらない。
僕と海の間では、生活の一部だった。
愛し合っているから、セックスをする。
それは当たり前で、大人の恋人同士なら咎められはしない。
「あっ、海っ、あぁんっ」
僕の中で激しく動く塊に、魅了されていく。
自然と腰が動き、自分の悦い場所へと導いていた。
「はぁっ、ああっ」
触れている部分からも、彼の熱が伝わってくる。
僕を愛してくれる、逞しい昂り。
それは変わらないのに。
「んっ、海っ、海っ、あんっ」
熱に浮かされるように、愛しい人の名を呼び続けた。
僕の中にいる、海。
もっとと言う代わりに、腰に回した手に力を入れる。
「あぁんっ」
グラインドが益々激しくなると、何もかも分からなくなっていく。
僕は海に愛されている。僕も海を愛している。それだけは忘れないまま。
「やぁっ、海っ、あぁっ」
彼の息遣いも速くなり、僕はもう何をしているのかさえ分からなくなる。
「あっ、やぁっ、んっ、海っ! あぁっ……」
そのまま放出した。
真っ白になった頭の隅で、彼が僕の中で果てたのは感じた。
「はぁっ……。んっ……」
いつの間にか腕はシーツへ落ち、彼の体が離れていく。
それを淋しいと感じた。