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約束 ~禁断の恋人~
第7章 想い
無理矢理ではなく、色々なことを知りたいと思い自ら勉強に励んだ。
そんな学生時代に、女性から交際を申し込まれたことも何度かある。今思えば、無碍に断っていた。
恋愛は、勉強の邪魔だからと。
男女問わず、交際をしているクラスメイトも少なく無かった。男同士で手をつないで帰る姿も見たことがある。
同性同士だからというわけじゃなく、その頃の僕は恋愛自体に偏見を持っていた。それはDr.になってからも変わらないまま。
そんな時間があるなら、一つでも数式を解いた方がいい。
僕は、まるで“Z”のようだった。
それを変えてくれたのが海。
笑顔さえ忘れていた僕を、人間らしくしてくれた。
でももう、海はいない。
フィーアは、海じゃない……。
深い溜息をついた。