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約束 ~禁断の恋人~
第7章  想い


 フィーアが出ると、急いでドアを閉める。
 警報装置が作動する可能性もあるが、巡回のナースは何も言って来なかった。
 一応急いでベッドへ入り寝た振りをしていると、ナースが走り込んで来る。
「桐島さん!?」
「何、ですか……?」
 眠りかけていた風を装う。
「ドアを開けませんでした?」
 やはり警報装置か。ステーションに戻ったナースが気付いたのだろう。
「いいえ。トイレには、入りましたけど」
「そうですか……。おやすみなさい」
 フィーアが戻ったルートと、ナースが来たルートが違うらしくて助かった。
 彼が見つかったとしても、教えた通り「迷子になった」というはず。
 フィーアは、仕事だからと言っていた。
 僕が教えた、“仕事は僕の傍にいること”。
 このフロアは個室ばかりだから、彼もそのどこかにいるはず。
 仕事だと思っていても、来てくれたのは嬉しい。
 僕はさっきのフィーアの温もりを思い出しながら、眠りについた。



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