この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
約束 ~禁断の恋人~
第7章 想い
フィーアが出ると、急いでドアを閉める。
警報装置が作動する可能性もあるが、巡回のナースは何も言って来なかった。
一応急いでベッドへ入り寝た振りをしていると、ナースが走り込んで来る。
「桐島さん!?」
「何、ですか……?」
眠りかけていた風を装う。
「ドアを開けませんでした?」
やはり警報装置か。ステーションに戻ったナースが気付いたのだろう。
「いいえ。トイレには、入りましたけど」
「そうですか……。おやすみなさい」
フィーアが戻ったルートと、ナースが来たルートが違うらしくて助かった。
彼が見つかったとしても、教えた通り「迷子になった」というはず。
フィーアは、仕事だからと言っていた。
僕が教えた、“仕事は僕の傍にいること”。
このフロアは個室ばかりだから、彼もそのどこかにいるはず。
仕事だと思っていても、来てくれたのは嬉しい。
僕はさっきのフィーアの温もりを思い出しながら、眠りについた。