この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
約束 ~禁断の恋人~
第7章  想い


「桐島、どういう意味だ?」
 Dr.小早川に、順を追って説明した。
 恥ずかしかったが、全て隠さずに。
「だから、桐島は綺麗なのか……」
 Dr.小早川も納得する。
「フィーア? 桐、Dr.トモが、好きか?」
 Dr.小早川の質問に、フィーアは視線だけを動かす。
「スキ……?」
「そんな感情までは……」
 言ったが、フィーアは何か考えている。
 さっきいたドライが無表情に見えたのは、気のせいでも、敬語のせいでも無い。
 フィーアは、確かに表情を持ち始めている。
「Dr.トモに愛されたいから、フィーアが嫌なんだろう?」
 その言葉を聞いて、フィーアは無言で僕を見た。
「フィーア。ここで、ドライと一緒に暮らすか?」
 突然言われ、僕も無言になってしまう。
 フィーアが研究所で暮らすには、整形手術が必要になる。メンバーだって、海として知っている“Z”の扱いに困惑するだろう。
 僕だって、海の顔をしたフィーアを冷静には扱えない。
「ここは嫌か? Dr.トモと一緒がいいのか?」
 引き続きの質問に、フィーアは戸惑っている。
「どうしてだ? セックス出来るからか?」
「Dr.!」
 つい声を上げると、フィーアに見つめられた。
「分からない……。でも、Dr.トモと、一緒にいたい……」
 理由は分からないが、一緒にいたい。それは、僕が海に対して初めて抱いた感情と同じだ。
 あの頃は、恋だなんて思っていなかった。でも海と一緒にいたくて、もっと近付きたくて。それと同じなのだろうか。
「残念。いいサンプルになると思ったのに……」
 おどけたように言うDr.小早川に、呆気に取られた。
「桐島。恋人を、研究材料にしたくはないだろう?」
「え……」
 口ごもった僕を窺うように、フィーアが口を開く。
「違う。Dr.トモの、恋人はカイで、フィーアは、ただの、研究材料……」
 はっきりと落胆した口調で、フィーアが続ける。
「カイじゃ、なくなったから……。オレは、フィーアだから……。だから、トモって呼んじゃダメで……」
 いきなり、Dr.小早川が笑い出す。



/103ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ