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約束 ~禁断の恋人~
第7章  想い


 僕は既に、彼を愛している。だからこそ、一緒に逝こうと考えた。
 こんな生活が嫌になっただけなら、僕一人で死のうとしたはず。
「海……」
 求めるように手を伸ばし、指先を絡め合う。
「んんっ……。はぁっ……」
 耳元を舌先で愛撫され、そっと目を閉じた。
 首すじを何度も軽く吸われ、その度に、お互いの呼吸が速くなっていく。
 もう、倒錯じゃない。狂気でも無い。
 ずっと一緒にいたのに、僕が愛情を認めなかっただけ。
 “Z”に感情は無いと、勝手に決めつけて。
「あっ……。あぁっ」
 また胸を強く吸った後、舌が乳首を掠める。すぐに口内へ挿れられ、舌が動く。
「んんっ、はぁっ」
 もう一方は指で摘ままれ、ぐりぐりと刺激される。
 彼の猛ったものが脚に当たっていて、嬉しいと思った。
 これだけで、彼も感じてくれている。
 何も変わらない。彼は海そのもの。
 フィーアと呼ぶようになったのは、自分自身への暗示でもあった。彼はただの研究材料。そう思うことで、彼への気持ちにブレーキを掛けていただけ。
 調理部へ連れて行ったのは、彼に人間らしいことをさせてあげたかったから。だからそれは、提出するレポートに書かなかった。
 仕事は“僕の傍にいること”と口にした時点で、気付けなかったんじゃなく、気付かない振りをしていた。
 彼を愛し始めていたことに。
 考えられたのはそこまで。
「あんっ、はあっ」
 彼に性器を握られると、そこに意識が集中してしまう。
 軽く扱かれながら、膝を立てた脚を広げられた。
「んんっ、海っ……」
 全身が震える。
「あっ、やっ、あぁっ! んっ、はぁっ……」
 それだけで、放出してしまった。
「トモ、気持ち悦かった?」
「ん……」
 恥ずかしくてまともな返事が出来ない。
 彼は、僕の精液をアナルに塗り込み始める。
「はぁっ……」
 教えていないこと。
 でも今は、彼の好きなようにして欲しい。



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