この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
約束 ~禁断の恋人~
第7章 想い
「あぁんっ、海っ、んんっ」
「トモっ……」
やっと名前を口にすると、彼も僕を呼んでくれる。
擦られる場所が変わり、また別の刺激。
突き刺さるような快感を、奥深で受け止めていた。
容赦ないグラインド。
でもそれは、彼も感じてくれているから。
「あんっ、はぁんっ」
片手で性器を握られ、グラインドと同じような激しい扱き。
それに耐えられなかった。
「あぁっ、んっ、やっ、あっ、海っ! はぁっ……」
シーツに放出したことも気にせず、崩れるように上体を横たえる。
「んっ……。あぁ……」
真っ白な世界の中、彼のグラインドが続く。
それを、心地好いと思えた。
「トモっ、はあっ……」
息をついた彼が、昂りを抜く。そのまま横になり、抱きしめられる。
「トモ……。トモ……」
うわ言のように何度も呼ばれ、彼の背中に腕を回す。
「海……」
「トモ……」
僕を包む彼の腕に、力が入る。まるで、離さないとでも言うように。
「トモ、愛してる……」
言葉のせいだけじゃなく、愛されていると実感出来た。
そのまま暫く抱き合い、キスを交わす。
何度も、何度も。
唇だけでなく、頬や額にも彼の唇が触れる。
僕が教えていないこと。
学習させていなかったこと。
セックスは、愛情で成り立っている。
逆に言えば、愛情の無いセックスは自慰のようなもの。経験は無いが、終わった後に空しさが残るだろう。
海に出会ってから、色々とあった。
愛し合い、別れ、また再び愛し合う。
海が僕を偶然見かけたのも、今は奇跡と呼びたい。
国内だけでも億単位の人間がいる中で、僕達は出会えた。
そして新しい命になった海は、また僕を愛してくれる。
僕も今まで、奇跡なんて言葉は好きじゃなかった。
Dr.として、研究者として、奇跡なんて軽々しく口にする言葉じゃないと。でも、それは間違いだと教えてくれたのは彼。
海の存在だ。