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約束 ~禁断の恋人~
第7章 想い
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
起きたのは昼近く。
もう一回と言ったのに、彼はまた「足りない」と言って、セックスが繰り返された。
そんなにしなくても、これからだって毎日一緒にいられるのに。
まだ彼には、それが理解出来ていないようだ。
海の作った昼食をリビングで食べながら、テレビを観ていた。
マンションでテレビを点けているのが、日常的になりそうだ。
食べながらも海は、ワイドショウの話を聞いている。
僕はニュースをネットで観ていたから、テレビは古めで小さい物。海のために、最新の大きな物に換えた方がいいかもしれない。
勿論もうレポートは書かないが、週明けくらいから仕事復帰しようと考えている。
最近身元不明の脳死患者を病院が引き受け、あと数ヶ月で身元が判明しなければ、また“Z”になるとDr.小早川から連絡が入っていた。
移植のためには、機器や道具の確認をしなくてはならない。
父親にも、海が落ち着いた経緯をメールしなければ。
「LSがMRに吸収合併だって。LSは、本業以外に手を広げ過ぎたから……」
テレビを観ていた海が呟く。
両方とも、かなりの大手医療メーカー。彼がそんなことまで理解出来るとは思っていなかった。
「海。仕事に、復帰する?」
「オレの仕事は、トモの傍に……」
「違うよ」
海の言葉を遮って続ける。
「海の本当の仕事は、調理部で、患者の食事を作ること」
「大きい鍋で、作る……」
「そう」
調理部へ行った時、手際は良かった。あの調子なら、段々と馴染めるだろう。
「僕への食事は、ここで作ってくれればいいからね」
「ん。ちゃんと、食べる?」
「食べるから」
そう言うと、納得したようだ。
「明日、僕は研究所へ顔を出すから、海は調理部へ行こう? だから……。今晩は、セックスは、無しだよ?」
明日は定例会議がある。それに出席するため、午後は書類作りをしなくては。
Dr.小早川からのメールに、意見を発表するように書いてあった。
勿論、海については伏せて。