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わがままな氷上の貴公子
第10章 意地
四年後のオリンピックなんて、悠長なことは考えられない。
その間に別の強いヤツが現れるかもしれないし、オレが落ちていく可能性だってある。
仕掛けるなら今。
昨日の滑りを見て、コーチも振付師も納得してくれた。
勝手に無茶な滑りをしたが、それがいい結果に繋がったのは確か。
オレに足りなかった持久力。
もしかして……。
考えてしまった。
こいつとのセックスで、持久力がついたのか?
考えたくないが、それもあるかもしれない……。
今まで、こんなに激しいヤツはいなかった。
「ごちそうさま……」
「悠ちゃん。もう食べないの? 俺、食べちゃうよ?」
「食べれば……」
立ち上がった時には、もうオレの残したおかずを食べている。
「悠ちゃんは、迎えが来るんでしょう? テレビ局から」
少しは学習したようだな。和子さんが教えたんだろうけど。
身支度を整え、潤と和子さんに見送られて家を出た。