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光を求めて
第5章 初恋
「そう言えばおば様。さっき何か言いかけてませんでしたか?」
何かを言いたそうな父の言葉を遮って雅也さんが母に声をかけ、その雅也さんは一瞬私の方を見てウィンクをしてくれた。
それは雅也さんが私を助けてくれたんだと分かる仕草でドキッとした。
「そうそう。あなたっ。雅也さんに彩羽のお勉強も見ていただこうと思うの。いかがかしら?」
「……そうだな。今のままの成績だと恥ずかしいからな。雅也くんどうだろうか?朝陽と違って出来が悪い娘だ。大変だろうが見てやってはくれないか?」
雅也さんのウィンクにドキドキしている間に話が進んで大変なことになり、驚いている私に雅也さんはにっこりとほほ笑んでいた。
「僕の方は構いませんが……彩羽ちゃんが嫌ではなければ引き受けます」
「全然イヤじゃないです。」
慌てて否定すれば、よかったと呟いて優しく微笑んでくれた。
そんな感じで週2回の家庭教師が雅也さんに決まった。
ふたりっきりで過ごす時間にドキドキしながら、それでも成績が落ちたと言われないようにと必死に勉強をした。
英語だけではなく、他の分からない教科も教えてくれて、学校の先生もびっくりするほど成績が良くなった。
その成績を見て父も母も悦び、雅也さんも教え甲斐があったと喜んでくれた。
そして、頑張ってる私にご褒美をくれるということでデートをする事になった。