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光を求めて
第5章 初恋
「私は……雅也とだったらいいよ。雅也とそうなりたい」
雅也が望むのなら私はかまわない。
全てを教えてほしくて言葉にした。
「うん。僕もそうなりたい」
同じ思いだとわかりほほ笑むと、雅也は「けどね」と言って言葉を濁す。
「……中学生にはまだ早いから彩羽が高校生になったらしようか」
高校生になったら……今は大学生と中学生、その壁は大きい。
だから、雅也に見合うように大人の恰好をして、釣り合わないと言われないように頑張っている。
「そんな顔しないで。僕にとって彩羽は大事な存在なんだ。だから大事にしたいんだ。こういうことは早いから良いってもんじゃないんだよ。わかる?」
雅也は私をなだめるように優しく諭す。
雅也がそういうのなら私は頷くだけで嫌とは言わない。
「分かった……それまで待ってるね」
「聞き分けが良い子は好きだよ」
雅也は微笑みご褒美みたいな甘い……それでいて情熱的で気持ち良いキスをしてくれた。
他のカップルが私たちの横を通り過ぎてもそれは続き、人の目も気にならないほどにキスに没頭していた。
だから気が付きもしなかった。
私たちの行為を見つめている人がいた事に。