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光を求めて
第1章 昼の顔と夜の顔
田所さんは私の目の前に来て、少し分厚い書類を机の上において申し訳なさそうに口を開いた。
「急で悪いんだけど、この書類明日の朝までにお願いできないかな?」
机に置かれた書類を見ると簡単には終わらない仕事の量だった。
上野さんと峰岸さんを見ると視線を外され、いつもの事だと何も思わないし感じない。
「分かりました。明日の朝までに準備します」
「東間さんならそう言ってくれると思ってたよ。この埋め合わせは必ずするからさっ、よろしく頼むよ」
そう言いながら笑って大量の資料を置いていった田所さん。
ゆくゆくはこの営業部の部長になるんじゃないかと噂されるほど有能な人。
それだけに仕事の量も多く、営業事務の私に色々と頼んでくる。
そして頼んだ後は必ずと言って良い程言う言葉。
――必ず埋め合わせするから……
この言葉は聞き飽きた。
埋め合わせすると言っても社内にある自販機でコーヒーを一本買ってくれるだけで他にメリットはない。
別に見返りが欲しいわけでもないけれど、他の人がやらないような大量の仕事を押し付けるのならもう少し何かが欲しい。
そう思うけど、社内の人と関わりたくないから何も言わない。
「急で悪いんだけど、この書類明日の朝までにお願いできないかな?」
机に置かれた書類を見ると簡単には終わらない仕事の量だった。
上野さんと峰岸さんを見ると視線を外され、いつもの事だと何も思わないし感じない。
「分かりました。明日の朝までに準備します」
「東間さんならそう言ってくれると思ってたよ。この埋め合わせは必ずするからさっ、よろしく頼むよ」
そう言いながら笑って大量の資料を置いていった田所さん。
ゆくゆくはこの営業部の部長になるんじゃないかと噂されるほど有能な人。
それだけに仕事の量も多く、営業事務の私に色々と頼んでくる。
そして頼んだ後は必ずと言って良い程言う言葉。
――必ず埋め合わせするから……
この言葉は聞き飽きた。
埋め合わせすると言っても社内にある自販機でコーヒーを一本買ってくれるだけで他にメリットはない。
別に見返りが欲しいわけでもないけれど、他の人がやらないような大量の仕事を押し付けるのならもう少し何かが欲しい。
そう思うけど、社内の人と関わりたくないから何も言わない。