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光を求めて
第5章 初恋
「あらっ。彩羽ちゃんいらっしゃい。今日は遅くなるんじゃなかったの?」
「そのつもりだったんだけどね。とりあえず僕の部屋に行こうか」
雅也のお母様は私を笑顔で歓迎してくれた。
私の両親は私たちの関係は知らないけど、雅也のご両親は気がついているようだった。
気がついているのに何も言わないのは父の性格をしっているからだと予想はできる。
おば様に簡単に挨拶をして雅也の部屋に入ると、ベッドの上で抱きしめられた。
ギュっと握りしめてくる腕には力がこもり、肩に顔を預ける雅也はいつもと違って心配になる。
「雅也?」
「怖い思いさせてしまったね。ごめんね」
私の問いに、雅也は申し訳なさそうに言葉にする。
「もっと周りを気にするべきだった。僕に抱かれたいと思ってくれている彩羽の気持ちがうれしくて、人の目も考えずにキスしてしまった僕の責任だ。キスさえしなければ彩羽に怖い思いさせることはなかったのに……ごめん」
何度もあやまる雅也の背中に腕を回して撫でると、同じように撫で返してくれた。
お互いにギュっと抱きしめあいながら何度も何度も背中をさすって、お互いがホッとする。
「大丈夫だよ。雅也が大丈夫って言ってくれたから怖くなかったよ。信じってって言ってくれたから信じられた。だから怖い思いもしてない。それより雅也は平気?どこが痛いとかない?」
3人を相手にして何もないわけがない。