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光を求めて
第6章 初体験
「まぁまぁ。雅也に聞いたが成績も上がってきたらしいじゃないか?高校はAクラス、TOPクラスじゃないか」
おじ様が助けてくれても父はぶすっとした表情を崩さない。
それどころがますます機嫌が悪くなる。
「TOPクラスにいても下の順位じゃ意味がない。最低でも学年上位になってもらわねば名城家の恥だ!!」
何があっても私のことを認めようとしない父。
Aクラスになって喜んでくれたのははじめだけで、クラスの中で下の方だと分かると態度はいつもと変わらなかった。
兄だけをかわいがり、頭の良くない私は褒める言葉もない。
「そういえば、最近は急がしてく勉強を見てあげる暇がなかったね。分からないところがあれば今からでも勉強するかい?」
父の言葉に委縮して小さくなっている私の背中を撫でながら雅也が言ってくれた。
「雅也くん、いつもすまないね。こんな出来の悪い娘だが勉強だけは見てやってくれ。何度もいうが、名城家の人間がバカでは困るからな」
念を押す父に軽く頭を下げた雅也と一緒に私の部屋に向かった。