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光を求めて
第6章 初体験
「お前の結婚相手だ」
私の問いに父は躊躇せずそう言葉にする。
その意味を理解できなくて首を傾げると、父は淡々と語る。
「驚くのも無理はないが私たちが決めたお前の結婚相手だ。彩羽が嫁ぐ先としては申し分ない家柄だ。今までどおり……いや、それ以上の暮らしができるだろう」
「お父様?!」
驚いて声を上げても父は顔色変えず、余りにも酷い言葉を続ける。
「高校卒業と同時に結婚も決まっている。まぁ、相手方は大学に行きたければそれからでもかまわらないと言ってくれてはいる。相手方も嫁に貰うならそれなりの学歴が必要だと言う事だ。だからしっかり勉強してAクラスのまま卒業するんだ。いいな」
婚約者がいたことだけでも驚くのに、結婚まで決まってると言われて理解できなかった。
「待ってください!!そんな話聞いてません!」
「だから、今言っている、これはもう決まった事だ。それに名城家の娘として生まれた宿命だ。お前の気持ちなどは関係ない」
私の言葉に父は冷たい一言を返し、私を暗黒に突き落とす。
それだけ破壊力のある言葉だった。
だけど決まり事と言われて、はいそうですかと受け入れられるはずがない。