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光を求めて
第6章 初体験
私には愛する人がいる、結婚したい人がいる。
ふたりの間を邪魔されるわけにはいかなかった。

「私には好きな人がいるんです!」

「それは雅也くんか?」

私の言葉に無感情に答える父に驚き、そんな私を見て父は背もたれに身体を預けて難しい顔をする。

「雅也くんは良い子だとは思う。だからこの話もなかったことにしようとも思っていた」

「だったらどうして!私は雅也と結婚したいんです。他の人はイヤっ」

初めて父に自分の気持ちを真正面からぶつけた。
いつも怖くて自分の意見を言えなかったけど、雅也との未来の為に初めて気持ちを言葉にする。
感情的になる私と違って父はどこまでも冷静だった。

「彩羽には辛いことだが……そうだな。はっきりと言った方がお前のためだな」

父が母のほうを見ると、母は私の横に座って私の肩を引き寄せ優しく背中を撫で始めた。
どうしてそんなことをするのかと母の顔を見ると辛そうに笑う。

「お母様???」

「彩羽、辛いかもしれなけど……知らないより知っておいたほうがいいと思うの」

何のことを言っているのか分からず父のほうを向くと、許婚よりも強烈なことを聞かされた――


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