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光を求めて
第6章 初体験
「そんなの嘘よ!雅也に限ってそんな事あるはずがないもん」
父の語った話に大声を出して反論した。
雅也に限ってそんなことはありえない。
これは私と雅也を別れさせるための嘘だと、父に食ってかかった。
「そんな嘘に騙されないんだから。そんな嘘で私たちの仲を裂けるなんて思わないで!!!」
「そう思うのも無理はない。私たちだって信じられないんだ。けどな、この目で見て、本人からも聞いたから間違いないんだ」
「うそよ!うそよ!うそよ!!!!変なことを言わないで!!雅也の彼女は私なの!私が彼女なの!!」
叫びながら涙が溢れてくる。
嘘をついてまで雅也と別れさせようとしてる父が許せなかった。
私の事を好きじゃないと分かっていたけど、家のために私の気持ちを少しも考えない父に怒りと悲しみで涙が止まらない。
「彩羽、落ちついて話をしましょう?」
泣きじゃくる私を母が慰めてくれる。
唯一私の味方の母に私は懇願する。
「お母様!私は雅也が好きなの!!雅也と結婚したいの!!だからお願い、お父様を説得してっ」
母は私を抱きしめ何度も何度も背中を擦り、そして、可愛そうにと繰り返すだけだった。