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光を求めて
第6章 初体験
「私たちも信じられないんだ。雅也くんが彩羽だけを愛しているのならこの結婚も白紙に戻そうとも考えた。けどな、見てしまった以上目を瞑ることはできない。ましてや雅也くんの口から告げられればなおさらだ」
「だから嘘を言わないで!そんな言葉で雅也を諦めると思わないで!!」
泣きじゃくりながら叫ぶ私の声に兄までもが部屋に入ってきて驚いていた。
「すぐにばれる様な嘘をつくはずがないだろう。彩羽が雅也くんに聞けば直ぐに分かるような嘘を私たちが言うはずがないだろう」
何を言っても父は信じられない嘘を口にする。
そんな事は絶対にありえない。
雅也が私以外に……
「お父様の言葉なんて信じない!!」
私と父の言い合いは平行線のまま動かない。
お互いがお互いの想いを主張してお互いの言葉を受け入れられなかった。
「だったら行ってくるといい。帰ってくる途中で雅也くんをみかけたから家にいるだろう。自分の目で確かめれば私の言葉が真実だと分かるだろう」
信じていたはずなのに、確かめてくると良いと言われて躊躇する自分がいた。
雅也に会って、それは父の嘘だからと言ってほしいのに身体が動かない。